レビュー「シェイプ・オブ・ウォーター」 - 映像美に魅せられる

※ 本記事はプロモーションが含まれています

今回は日本では2018年に公開された映画、

シェイプ・オブ・ウォーター

を視聴しましたので、そのレビューをしていきたいと思います。

なお、このレビューは視聴済み前提の完全ネタバレとなるため
未視聴の方、ネタバレを嫌う方はここで読むのを中止することをオススメ致します。

目次:お好きなところからどうぞ

シェイプ・オブ・ウォーターとは

『シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)は、2017年のアメリカ合衆国の恋愛ドラマ映画。ギレルモ・デル・トロが監督を務め、ヴァネッサ・テイラーと共同で脚本も担当している。出演はサリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタヴィア・スペンサーなど。
2017年8月に第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映されて金獅子賞を受賞し、第42回トロント国際映画祭で上映される。北アメリカで2017年12月8日に広く一般公開された。
暴力描写や自慰行為、刺激の強い性描写があるため日本国内では、東京国際映画祭で公開されたオリジナルバージョンはR18+指定で公開され、2018年3月1日に公開された本作は1か所にぼかし修正を加え処理したR15+指定バージョンの作品である。
第90回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞し、第75回ゴールデングローブ賞でも2部門を受賞した。

出典:シェイプ・オブ・ウォーター - Wikipedia

物語のあらすじ

物語のあらすじについては、私が書き起こしたものを載せようかと思いました。

ですがそこそこの文量となり、かつ読者の方は視聴済みの場合がほとんどだと思うので需要があまりないと考え、割愛いたします。

Wikipediaに記載がありますので、チェックしたい方はそちらをご覧ください。


評価すべき映像美

まずこの映画を語る上で述べておきたいのは、その「映像美」についてです。

冒頭から水中のシーンが始まり、以降冷戦下のアメリカを舞台に物語が進みます。

主人公イライザのボロいながら趣のあるアパートや、隣人ジャイルズの部屋、レトロな雰囲気の映画館や、研究センターの描写などその当時本当にあったであろう空気感を見事に演出しています。

多少フィルターの効果に頼っている部分も見受けられますが、それでもこの雰囲気を作り出しているのは素直に評価できると思います。

肝心の水生生物(以下、半魚人)に関しても特に違和感はないですし作り物だと言われればそうかもしれませんが、見ていて邪魔になることはありませんでした。


感想や疑問点

ここからは視聴時に感じた「雑感」を書き出していきます。

イツキ
一部茶化したように記載している箇所もありますが、
ファンタジー要素が強い映画であるが故、ツッコミ方法の1つとして予めご了承いただければと思います。

R18+にするほどの性的描写は必要あるのか?

イライザの1人プレイについては、孤独感の描写だと考えられる。

あとは軍人ストリックランド夫婦の営みについて。

口数の多い妻に「黙れ」と言っているので、その背景があったからこそ無口な女性=イライザに惹かれたという示唆。

チョコレート工場の火事の意味とは?

イライザが俗世間に興味がないことの示唆?

当時のアメリカを表現するための方法だと思われる。

チョコレートは嗜好品でもありましたが、軍用のものも当時たくさん生産していたらしい。

1970年くらいから軍需品から嗜好品にシフトしていった。

出勤時、イライザの横入りを同僚が容認している理由は?

イライザが障害者(発言障害)だから協力していた?

イライザには軽度の知的障害もある?

半魚人が研究センターにケースで運ばれてくるシーン

ケースの窓を内側から手で叩くシーンは本作の見所。

隣人ジャイルズはゲイ?

ゲイです。

ストリックランドのちぎれた指を拾うイライザ、抵抗がないのはなぜ?

これもやはり軽度の知的障害であることの示唆?

ジャイルズの物語は本編に関係ある?絡みが薄い印象

元々会社に勤めていて、恐らくイラストレーターだったジャイルズだが「写真」の普及の影響で解雇され、今では外注先となっている。

発注された通り絵を書くが、かつての上司には冷たくされ、お払い箱となる。

その上頻繁に通っていたカフェの男性店員に少し好意を見せると、彼はひどいレイシスト(差別主義者)でジャイルズに対し敵意を剥き出しにした。

そのため本当の友達はイライザしかいないと考え、最初は反対していた半魚人逃亡計画に加担することになる。

という動機づけとしての物語だということは理解できるのだが、それにしても内容が本編に絡みがなさすぎて、違和感があったことは否めない。

半魚人のために侵入するイライザ

半魚人に興味を持ったイライザは、隙を見て何度も半魚人のいる部屋に忍び込む

国家機密の割にセキュリティガバガバ過ぎ、というツッコミはさておき。

最初は卵をあげたりと可愛いものだったが、だんだんエスカレートしていく。

挙句の果てにはポータブルレコードを持ち込み、大音量で音楽をかけるという始末。

扉が厚いため音が漏れなかった、ということも考えられる。

が、普通ならすぐにバレるであろうことを平気でやってしまう辺り、やはりイライザはちょっとぶっ飛んでいるということを、ここでも示唆しているのかもしれない。

手話を瞬時に理解する半魚人

ホフステトラー博士が「意志の伝達ができる」と言っているだけなので、本当に理解できていたかは不明。

もしかすると単純にイライザの真似をしていただけかもしれない。

ストリックランドが半魚人を虐待する意味は?

本人は「調教」だと言っていたが、大事な研究対象を衰弱するまで虐待する意味がわからない。

彼はエリート指向が強く、失敗を強く恐れる人物である故にもし半魚人を殺してしまったら、というリスクについてあまり考えていなかったように見えた。

そのため、キャラクター設定と行動に若干のズレを感じる。

指をちぎられたことへの復讐、と言えばそうなのかもしれない。

ストリックランドがジャイルズの運転する車を怪しく思い、すぐ気づいたのはなぜ?

いつも監視モニタを注視していたからすぐに違和感に気づいた、のかもしれない。

だがイライザとジャイルズが半魚人を逃がす計画を立てている、と予め知っていたかのようで若干ご都合主義的な展開であると感じた。

無茶苦茶な塩分濃度で落ち着く半魚人

研究センターから無事脱出できたイライザたち。

避難先のアパートの風呂に半魚人を入れる際、キッチンからありったけの塩を持ち出して浴槽にぶち込むことで、半魚人は落ち着きを取り戻す。

まぁよくある展開ではある。

しかしその場しのぎのメチャクチャな塩分濃度で、よく命に別状がなかったな半魚人、ということでここでもご都合主義を感じた。

海水で生きている他の生物の場合、塩分濃度があっていないと即死するくらい致命的。

「南米の川」出身なのに海水?汽水?

ストリックランドの話では、半魚人は南米の川で見つかったということだった。

だがしかし、塩が必要なのはなぜか。

海に近い下流の方は「汽水」と呼ばれる海水と淡水が混じった水になっているのでそこで生息していたと言えば納得はできるか。

イライザと半魚人の愛、同僚はなぜ表情で気づく?

イライザの表情だけで、同僚ゼルダはイライザが半魚人とそういう関係になったと気づいた。

一般的な感覚として、ああいう「モンスター」とそうなることは発想もしないだろう。

物語の前提とは言え、第三者が表情のみで察するにはかなり違和感があった。

その旨を妻に言ったところ、その前にイライザの服装がどんどんと派手になっていき明らかに「恋」していることが表現されていたらしい。

私の観察が足りなかったと反省し、ある程度納得はするもののやはり「半魚人と肉体関係を持つ」というのは普通は思いつきもしないと思うのだが…。

浴室を水いっぱいにして半魚人とランデブー

本作の最大の見せ場

ではあるが、現実的に見るとかなりぶっ飛んでいる。

あの量の水圧を、ボロいアパートの浴室のドアが耐えられるのかも疑問。

大家が出て行けと怒鳴り込んできたが、その後も普通に生活

上記の通り、浴室を水いっぱいにした影響でその下にある映画館に漏水し、怒った大家が「出て行け!」と怒鳴り込んでくる。

大家の反応は至極真っ当。

しかしその後も普通に生活をし続けるイライザ。

どうやって片をつけたのか非常に気になる。

浴室からでた大量の水、どうなった?

これも浴室水いっぱい関連。

隣人ジャイルズが浴室のドアを開くことで、いっぱいになった水が一気に解き放たれるのだがその水は一体どこにいったのか。

普通に考えると映画館に全て流れ込んだことになる。

水量は数百リットル、未曾有の大惨事であることは間違いない。

被害総額がとんでもないことになると思うのだが…。

半魚人の治癒能力の謎

半魚人には治癒能力があることが描かれている。

ジャイルズの腕の傷、ジャイルズの薄くなった髪の毛、イライザの首の傷

イライザの首の傷については、物語のクライマックスでもあるので後述するが
半魚人の治癒能力の実態についてはいまいち謎が残る。

元の状態に戻す?髪の毛が薄くなったのは自然現象なので、この条件に合致しない。

細胞を活性化させる?であれば多少納得できるが、死滅した毛根を復活させることはできるのか?

ファンタジー要素が強いので、あまり深く考えてはいけないのかもしれない。

なぜか吐血するレベルまで弱る半魚人

血を吐いてぐったり。
触るとウロコも取れてしまう。

恐らく浴槽という狭すぎる環境が原因であると予想できる。

同僚ゼルダ宅、変な男(ストリックランド)が押し入っても妻を助けようともしない夫

同僚ゼルダが仕事中、イライザに自分の夫は散々ひどい男だという話をするのだが、その本人がここで登場。

ゼルダ宅にイライザを探し回るストリックランドが乗り込んできて自分の指をちぎるパフォーマンスをしつつ、ゼルダを尋問。

かなりヤバい光景のはずだが、ストリックランドに「座ってろ!」と一喝されたゼルダ夫はその後何もせず座り続け、挙句の果てにイライザの情報を喋る始末。

ゼルダの話ではボロクソ言われているけど、本当は良い夫でした的な展開かと思っていたら本当にタダのクズだったというお話。

桟橋、雨の中で回復した様子の半魚人

前述の通り、浴槽で衰弱しきっていた半魚人だったが雨の中に出てきた途端、即座に回復僕元気

吐血するくらい弱っていたのに、そんなことあるのか。

これも半魚人の治癒能力の1つ?

ポンコツだと思っていたジャイルズが、殴られた後即座に回復、すぐストリックランドを殴り返す

研究センターから逃げる際も、車をぶつけるなど様々なシーンでそのポンコツぶりが描かれているジャイルズ。

桟橋でストリックランドに殴られ、一瞬気絶するものの数分で回復し木材でストリックランドを返り討ちにする。

いきなり強すぎるぞジャイルズ。
何があったジャイルズ。

これも半魚人の治癒能力の(ry

撃たれた傷を即回復する半魚人

ストリックランドが放った銃弾をモロに喰らい、転倒するものの数秒後に治癒能力で回復し、傷を手で「サッ」とすると一瞬でほら!こんなに綺麗になりました!

ちょっと前まで吐血していたのに。

外科に強く、内科に弱い、そういう治癒能力なんだろうか。

ストリックランドの喉をかっさばく半魚人

激おことなった半魚人は、ストリックランドの喉をその爪でかっさばく。

恐らくイライザの首の傷に「かけている」のだと思われる。

だがその後の描写が特にないため、生きているのか死んでいるのか、イライザ同様声が出せなくなってしまったのかなど、その詳細は一切不明。

水の中で半魚人の治癒能力により復活するイライザ

半魚人と同じく、ストリックランドの銃弾を受けたイライザは瀕死の状態に。

そのイライザを抱え、半魚人は海に飛び込むと抱き合いながら治癒能力を発動。

お、首の傷(声帯)が治って喋れるようになるのか!

と思いきや、3本の傷跡が突如として「エラ」になり水中で息ができるようになるイライザ。

その後2人がどうなったのかは、誰も知りません、というところで終幕。

確かに綺麗な終わり方の1つではあるが、半魚人の治癒能力の謎がますます深まる結果に。

傷を治すのではなく、「エラ化」させるとは…?

やはりファンタジー要素が強いので、あまり深く考えてはいけないのかもしれない笑。


映画「シェイプ・オブ・ウォーター」|総評

以上で本作におけるレビュー、雑感を終わります。

ファンタジー要素が強めの映画に対し、ツッコミが多少無粋なものが多いことは自覚しています笑。

ですが、内容としてはあくまでリアルテイストで描かれており、見ていて違和感があったのは事実なので、こうして雑感としてまとめることにしました。

真剣に見てしまうと気になるところが多い映画ではあります。

ですが、冒頭で述べたように美しい映像が魅力的なのは間違いありません。

終わり方としても上手くまとめている映画だと思いますので、休日にちょっと変わった恋愛映画が見たい、という際にはうってつけだと思います。

以上、「シェイプ・オブ・ウォーター」のレビューでした。

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ABOUTこの記事をかいた人

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