「ラブアース」ってご存知ですか。
テレビ朝日「陸海空 地球征服するなんて」という番組内で1話だけ放送されたものの、内容に問題があって(と自称して)お蔵入りになった1コーナーです。
その後視聴者からの続報を望む声が相次いだらしく、「AbemaTV」でネット配信という形で現在はシーズン4を配信中です。
確かにシーズン1、2に関しては「マサキ」「るみ」というキャラの強すぎる二人のおかげ(せい)で一般的な「恋愛バラエティ番組」の体からはだいぶ外れてしまい、外国で喧嘩しながら過酷旅をする男女6人、という感じになってしまいました。
ですがシーズン3からはこの二人がメンバーでなくなったので、ようやく普通の「恋愛バラエティ番組」っぽくなりました。
まぁシーズン1が「マサキ」「るみ」のせいでお蔵入りになった、ということにしておきながらシーズン2でも続投っていうのは、正直どうかと思いましたけどね。
恋愛バラエティ番組として成り立たせるより、「面白さ」を優先したわけですから、この辺は昨今の「あいのり」と同じ匂いがします。
以前に「あいのり Asian Journey SEASON2」に関してもその辺りを批判してますので、気になる方は以下の記事をご覧ください。
目次:お好きなところからどうぞ
シーズン2メンバー「身来」のパワハラ告発事件
また、シーズン2に関してはメンバーの一人「身来(みらい)」が番組を告発した、というニュースまで出てきました。
内容としてはスタッフにパワハラを受けて、キャラ設定や言動を強制されたというもの。
これが事実だとするならば、残念だなーと思います。
ですが番組作りのためにはある程度仕方のない部分もあるかな、と思いますし、「告発した」というのを見ても、あぁやっぱり、という感想が正直出てしまいました。
結構悪者のように描かれていましたからね、身来くん。
編集もそう見えるように意図的に構成していたのは、視聴時から感じていたことなので顔が売れる以外あまりメリットがないことですし、俳優さんはこの手の番組に出ないほうが良いんじゃないかと思います。

シーズン3 ラオス編レビュー
さて、話は少し脱線しましたがシーズン3。
先日2019年3月31日をもって全9話の放送が完結しましたので、各メンバーに対する感想をベースにレビューしていきたいと思います。
あ、念の為。
さっきの記事の件もそうですが、やらせだとか台本とか色々裏事情はあると思いますがいち視聴者が純粋に「恋愛バラエティ番組」を楽しんだ、という前提でレビューしていきます。
なので「いやそういうキャラ設定でしょ」っていうツッコミはなしでお願いします。
かーくん
まずはなんと言っても「かーくん」でしょう。
番組を面白くしてくれた立役者。
計算を間違える等おっちょこちょいの面が強調されていたのでそのイメージが強いですが、責任感もあるし、行動力もあるし最近の男性のタイプとしてはレアな存在なんじゃないかなと思います。
男女限らずメンバーから結構きついことも言われたりしてましたけど、それに腐らず、最後までゴールを目指すこと諦めなかったのは素直にすごいと思います。
一方で「優しさ」とか「気を遣える」っていう方向に意識を全振りしていたのでそういう人特有の「ウザさ」みたいなものが出ちゃってましたね。
一言で表すなら「バランス感覚が悪い」。
思い込むと周りが見えなくなりがちなタイプだと思うので今後歳を重ねていって行動力や気遣いできる力と、空気を読める力を備えていけば相当いい男になるんじゃないかと思いました。
今回は「こもりん」とか「けいし」とか所謂「動かない系男子」が多かったのでひときわ目立ってましたけど、口だけじゃなく責任感とか行動力を示せる人ってやっぱりごく限られた人だと思うので、貴重な能力を今後も大事に育てていってほしいと思います。
恋愛に関しては…相手が悪かったとしか言えません。
はーちゃん
「かーくん」ときたら「はーちゃん」といくしかないでしょう。
失礼な言い方ですが、見え方によって可愛くも微妙にも見える不思議な女性でした。
旅ののっけから割とKY的な発言していたので、どうなんだろとは思いましたが番組的にはその存在によってだいぶ盛り上がったんじゃないかと思います。
彼女は終始モテており、ゆえに面白くないみたいなことも本人も言ってましたが多分醸し出す「エロさ」みたいなのが強いんじゃないですかね。
旅の期間中は基本的に禁欲生活だと思いますし、はーちゃんは画面越しでもわかるくらいなんとなく隙がありそうな感じなので、あれに引き寄せられちゃう男は多いと思います。
まぁ今回それが「かーくん」と「こもりん」だったわけですが。
別にそれが悪いってわけではなくて、恋愛における大事な能力の1つだと思いますが本人の性格のやっかいさ、もあってかだいぶ掻き乱しちゃってる印象でした。
あとこれは編集側の話になりましたが、旅の中盤からはーちゃんがかーくんのことを「恋愛対象としてない」みたいに話してるのを公開して、以降「頑張れかーくん!」という風に、フラれるの前提で彼が空回りすることを楽しむ見せ方になっていきましたがあれってどうなんでしょう?
仮にも恋愛番組なので、結末としてどうなるかわからない
っていう体裁は守ってもらわないと、視聴者側は最後まで恋愛模様を楽しめませんよ。
「あーこりゃ無理そうだな」とかそういう判断はこっちが勝手にするので茶化すような感じでメンバーの恋愛をなかったことにするのは、やめてもらいたかったです。
あくまで番組側はメンバーの恋を応援する、これに徹していただきたいというのがはーちゃん周りの恋愛を見ていて特に感じたことでした。
こもりん
「はーちゃん」ときたらやっぱり「こもりん」ですかね…。
彼に関してはなんとも…。
まず芸人いじり。
「こもりんは面白いことを何も言わなかった」
ちょっとしつこすぎる。
さっきも言いましたけど、そういう感想は視聴者が勝手に抱くので先回りして「番組側もわかってますよ」アピールするのはやめてほしい。
それがアクセントだったり、笑いどころになるならまだしも普通に滑ってましたからね。
MC陣も「もういいよ」って言うくらいですし。
あと芸人前提として言わせていただくなら、喋ってる時の表情、というか目の動きとか挙動不審感が出過ぎてて、表に立つ職業にマジで向いてないんじゃないかと思いました。
見てて大丈夫かこの人と思うくらいですし、あの癖を直さないと割と芸人として致命的だと思います。
素人のかーくんやけいしのほうがよっぽど堂々としてましたからね。
そんなわけですから、男性としての魅力は相当きつかったですね。
はーちゃんが終盤まで「好きっぽい」ニュアンスを醸し出していたのが不思議なくらいでした。
もちろんああいう男性がタイプって女性もいることはわかっているのですが恋愛って絶世の美男美女でもない限り、何もしない人には何も起きないっていうのが鉄則としてあるので終始何もしなかった彼に対しては、ホントに何しに来たんだろうなーと思いました。
素のキャラじゃなく、無理してはっちゃけたとしても芸人として顔が売れますし番組も盛り上がりますので、そのくらいメチャクチャやっても良かったんじゃないですかね。
カップルになるか?と思われたはーちゃんにも普通にフラれるし彼の人生の十日間を考えると、だいぶ無駄な時間だったんじゃないかなーと思います。
だいぶ辛口な感想になってしまいましたが、一般人が普通に番組参加したわけではないのでどうしてもこういう見方になってしまいます。

あすか
彼女はタレントっぽいので、美人枠で来ていたんだと思いますけどこもりん同様何もしなかった人の一人です。
もっとも彼と違うのは彼女は「美女」だったということでけいしに恋され、最終的にはそれをフるという結末でした。
顔が綺麗なので男性視聴者としては、見てる分にはいいのですがやはりどうしてもタレントとしての立ち振舞が抜けなかったなという印象です。
そういう意味ではこもりんより何も覚えていないかも。
ただ美人だった、それだけ。
いやホントに、書くこと思いつかない…。
けいし
あすかの流れということで、けいし。
20歳の超「ナルシスト」ということで、出だしは相当キャラがたっていたのでこれは面白くなるか?と思っていたら、中盤以降はまさかのちょっと毒づく普通の人。
確かに顔はカッコいいですけど、体が貧相で見ていられなかったしもうちょっと肉をつけて二十代後半から三十代になるくらいが、彼は一番カッコよくなるんじゃないかなと思います。
旅の途中水に入る際、体を見せたくないから服を脱がないと拒否る場面がありメンバーやMC陣も「なんで?余計気になるから脱ぎなよ」的なことを言ってましたがこれってセクハラじゃないんですか?
いやそんなことで、って思うようなら相当時代からズレてますよ。
確かにこういう番組、こういう旅に参加するんであれば服を脱ぐ機会がありそうなことくらいは予想できるので、その覚悟を持ってこいよとは言えると思いますが、それとこれとは話が別ですからね。
極論「服脱がないやつは恋愛しちゃいけないのか?」って話になりますし。
まぁ最終的にはけいしも服を脱いでましたけど、番組から圧力があったんじゃないかって疑っちゃいます。
あとこれも言っておきたいのが、けいしに関してはMC陣の印象操作が酷い。
確かに彼の言動は理にかなっていたり、チャレンジ企画でも結果を出しているので相応の評価を受けるのはわかりますが、それゆえにバイアスかかってなんでも良い方向に捉え過ぎでは?
同じようなミスをかーくんがしたのと、けいしがしたのとではMC陣の扱いが全然違くて、そこは結構ドン引きでした。
メリハリつけるのは大事だと思いますが、その辺りは中立でいてほしいです。
恋愛としては、残念ながらあすかにフラれるという結果になりましたがまぁ彼の評価としておおむね、断る際に言ったあすかの言葉通りかなという気がします。
なんとなく彼の繊細さ、神経質さというのが画面越しにも伝わってきましたしやはり20歳ということで経験が圧倒的に足りないので、28歳の美人と恋人になるには現段階では少々力不足感は否めませんでしたね。
ただルックスも含め、持ってるポテンシャルは高いと思いますので方向性を間違えず人間力を高めていけば、今後最強にモテることは間違いないと思います。
なっつ
今回最大の不幸の人「なっつ」。
恋愛にも関われないし、旅に対する努力も報われないしで見ていて可哀想になってしまうくらいでした。
あれで恋愛対象に見られないって、よっぽど他の二人が魅力的だったか彼女自身に何かあったとしか思えないんですよね、放送されていないだけで。
あと個人的に気になったのは、メイクのせいもあるのか終始不機嫌そうな顔に見えてしまっていたことでしょうか。
やっぱりそういう要素ってマイナスなんですよね。
何もなくてもいつもニコニコしている女性の方が魅力的なのは間違いないので、その辺りははーちゃんやあすかがほぼ完璧でした。
なのでそことの対比でやっぱり際立ってしまったのかな…。
恋愛的な作戦としても彼女は失敗している気がしますね。
旅を進行するっていう目的に対し、彼女は力を入れていたと思いますが趣旨としては「恋愛すること」なので、そこに対する行動をもっとすべきだったと思います。
というより恋愛に関しては、ホントに何もしていなかった?
最後まで誰が好きとか気になるとか、そういう話は出てきませんでしたし誰からも好かれないのは仕方ないことではありますが、もう少し自分から動けばまた違ったのかなとは感じました。
MC陣
今回も「相席スタート 山﨑ケイ」さん、「柴田あやな」さん、「オオカミ少年 片岡正徳」さんでした。
山﨑さんはちょっと違った視点を持った鋭い意見でツッコミ役割、柴田さんは一般的な女子目線ながら、割と気になるところを毒づくタイプ、片岡さんは個人的な意見はほぼ言わず、進行に徹するタイプ
ということで、バランス的には取れているのかなと思います。
ただメンバーのレビューでも少し触れたとおり、誰々が良いとか悪いとか一度そういう流れになると色眼鏡でその後も見続ける傾向があるので番組や視聴者の感想を操作、は言いすぎですが引っ張ってしまいがちでそれをもう少し中和できないかな、というのは前シーズンから思っていることです。
前にレビューした「あいのり Asian Journey SEASON2」のMC陣より全然いいので次シーズン以降も続投を望みます。
一点苦情を申し上げるなら、セットをもうちょっとなんとかしてほしい。
予算がないのか知りませんが、白い壁にパイプ椅子って。
観葉植物を置くだけでもだいぶ違うので、もう少し努力して欲しいなと思いました。

総評|ラブアース シーズン3 ラオス編 レビュー - 良くも悪くも普通になりました【AbemaTV】
バラエティ番組としては楽しく視聴することができました。
が、恋愛番組としての評価は微妙かもしれません。
結果的にカップル成立してないわけですからね…。
恋の駆け引きとかもほとんどありませんでした。
あとこれは番組の基本的なことですが、男性しか告白できないシステムってどうなんでしょう。
今の時代「女性軽視」だと言われても仕方ないのでは?
シーズン1から踏襲しているシステムですし、嫌なら参加するな視聴するなというのはわかりますが、ちょっと時代遅れな気がします。
事実としてこのシステムのおかげで、女性メンバーの気持ちがほとんどわからない状態です。
すごく意地悪な言い方をすると「男性主体で好きな女性を選ぶ旅」になってますよ、現状。
今後改善されるかはわかりませんが、一番直して欲しいポイントの1つです。
加えて重要な点をもう1つ。
「倍チャレンジ」の連発。
(倍チャレンジとは簡単なお題をクリアすると旅の資金が二倍になる企画のこと)
これには本当に萎えました。
この旅って「過酷」をウリにしているからかわかりませんが、資金、工程共にだいぶ無理のある計画なんですよね。
今回はメンバー側の計算間違いなど、イレギュラーなケースで資金不足になったのでそのフォローとしては一番手っ取り早く確実なのはわかりますが、最終的に成功するまで倍チャレンジ連発って、本末転倒以外の何物でもありません。
チャレンジの内容も別に面白いわけでもありませんし、かーくんが失敗して下げられて、けいしが成功して持ち上げられて誰得なのかなっていう場面が多々見受けられたので、ここは本当に改善してほしいポイントです。
ラブアース シーズン3 ラオス編 レビュー|まとめ
全体的な総評としては「良くも悪くも普通になってしまった」というのが妥当な評価だと思います。
シーズン1開始当初は「恋愛番組作成に不慣れなため、成り立たなくなってしまった」というだけあって破天荒な内容が面白く、逆にウリの一つになっていたわけですがシーズンも3つ目を迎え、そろそろ慣れてきた感もあるので落ち着いてきた印象です。
ただやはり先ほど述べた「倍チャレンジ連発」のように、企画として粗削りの部分が多々あるのも否めませんのでそういう単純な想定ミス等の簡単なマイナスポイントはなくしていってほしいと思います。
というわけでこれまで色々と批判含め述べてきましたが、「テラスハウス」や「あいのり」等とはまた少し違った面白さのある当番組ですので今後も期待して視聴していきたいと思います。
現在シーズン4「カンボジア編」が配信中ですので、興味のある方はこの機会にぜひ視聴してみてください。

なっつに幸あれ!