私の趣味の1つとして「グラス集め(主に酒器)」があります。
そんな私が、2年以上前に「ある酒器」と衝撃的な出会いを果たしてから、購入に至るまでの道のりをここに記したいと思います。
目次:お好きなところからどうぞ
出会い
あれは確か2016年6月。
家族3人で六本木にある「東京ミッドタウン」へ買い物に出かけた時です。
東京ミッドタウンは数々の店舗を有する複合施設なのですが、その中の一つに「THE COVER NIPPON」という店舗があります。
ここでは和雑貨を中心に、家具やインテリア小物など多彩な商品を取り扱っています。
こういったものが好きな私としては非常に興味深く、見ているだけでも楽しい店舗なのですが、件の「酒器」は、その一角に鎮座していました。
薩摩切子 翡翠
それが「薩摩切子 翡翠」です。
片口と猪口が2つのセットになっています。
画像で見るよりも実物はもっと輝きを放っています。
有名な「江戸切子」のそれと大きく違うのは、ガラスに厚みがあること。
カットの際に生まれる、色から透明に移る「ぼかし」と呼ばれるグラデーションがこの上なく美しい。
輪郭がぼんやりとした風合いになっているので、まるで発光しているようにも錯覚します。
一目惚れに近い感情を覚えつつ、店員に値段を尋ねると「115,000円」程とのこと。
その上バラ売り(片口だけ、猪口だけ)は行っておらず、湧き上がる物欲を理性で抑えながら、その日はスゴスゴと退散したのでした。
時を経て
心の奥底に未練を残しつつ、さすがに酒器に10万円以上を出すのは現実的ではないと、半ば諦めながら早2年以上が経過。
そんなある日。
何気なくネットショッピングに興じていると、なんと件の薩摩切子がバラ売りされているではありませんか。
猪口だけで24,800円。
10万超えよりは現実的な価格ではありますが、それでも猪口2つでこの価格。
悩みに悩んで、悩み疲れた数週間。
遂に私は決意しました。
もう楽になりたい。
買って楽になりたい。
薩摩切子の魅力に囚われた自分自身を解放したいと。
そこからの私は早かった。
さっさと購入手続きをして、お届指定日を入力します。
迎え入れるは獺祭
満を持して我が家に届いた薩摩切子。
お手頃価格で深い味わいを楽しめる「獺祭」で、初陣を飾ることにしました。
徳利は以前九州旅行で、窯元に足を運んで手に入れた「伊万里焼」の思い出深い品。
飲み慣れた獺祭の味が、さらに旨く感じました。
たかが器、されど器。
同じ器でも主の思い入れ次第で、乗っている料理や酒の味がここまで変わるものかと毎回驚くとともに、私はこれまでも、そしてこれからもずっと魅了され続けていくのでしょう。
私の猪口コレクションに満を持して仲間入り。
高い買い物ではありましたが、後悔は一切ありません。
外は徐々に春の気配を迎え、花見のシーズンがやってきました。
今回手に入れた酒器を片手に、日本酒を楽しんでいきたいと思います。